データで見る台湾人口推移と年齢別人口及び政府の対策方針【2020年版】

前書き
1. この文章の要点
台湾総人口の推移について
1. 台湾人口のマイナス成長と政府の対策
  1. 人口政策白皮書第1章の抜粋
年代別人口と労働人口
データソースおよび参考資料

前書き

日本では少子高齢化と労働人口減少の問題が表面化して久しいですが、台湾は日本よりも早く少子高齢化と労働人口減少の問題が深刻化し2020年にはついに人口げマイナスとなりました。
そんな台湾の現状をまとめました。

この文章の要点

・2020年台湾の人口は出生数を死者数が上回り-41,885人のマイナス成長
・台湾では2008年より人口政策白皮書という対策を打ち出すが、現状人口減少は止まっていない
・現在の幼年人口が極端に少なく、移民政策や高齢者の再労働資源化などの対策を打ち出す

台湾総人口の推移について

台湾人口のマイナス成長と政府の対策

台湾の人口は1990年からの統計では1990年〜2019年までは1997年の217,382人増加をピークに人口増減数が徐々に減少を続け、2020年に統計上初めて死亡数が出生数を超え人口がマイナス（-41,885人）に転じました。

2006年106,144人増加を最後に人口増加数が10万人を下回り続けており、2017年の人口増減数が31,411人となりピークの1997年の21.96％まで減少。
この出生数の問題に対して台湾政府は「人口政策白皮書」という人口問題へ対策が記された計画書の第1章、最重要施策として「若年層の婚姻機会の改善」という方針記しています。
以下に人口政策白皮書第1章の抜粋を記載します。
（※人口政策白皮書は2008年に台湾政府により作られた人口政策の方針をまとめた資料で、毎年内容が見直され更新されております。本記事では2013年に更新された内容を参照しています。）

人口政策白皮書第1章の抜粋

第1節：未婚男女の婚姻機会の増加と幸せな家庭づくりへの協力
・教育の平等化と家庭を築くための教育の実施。
・兵役の軽減。
・妊婦や子供でも利用しやすい公共交通や公共設備の整備。
等

第2節：健全な保健教育
・不妊治療と人工授精に関する情報発信の強化。
等

第3節：幼児教育の定額化
・保母を登録制にし、保母登録者の増加を図り、家庭にて幼児教育を行えるように法整備を行う。
・幼稚園や託児所で働く人の労働条件を保証し、社会的地位をあげる。
等

第4節：子供がいる家庭への経済支援
・2歳以下の用事がいる家庭にその家庭の収入に合わせて毎月2,500〜5,000台湾元の支給。
・5歳以下の用事がいる家庭の税金を年間25,000台湾元免除。
等

第5節：友好的な家庭と職場環境の運営
・企業連合による託児所の積極開設。
・男女平等法に基づくの仕事環境の整備。
等

第6節：産休と産休時の経済支援
・産休中の給与補助。
・男女双方の産休取得支援。
等

第7節：児童保護の仕組みの強化
・児童虐待などの通報制度の強化。
・児童保護にあたる人材の確保。
等

年代別人口と労働人口

2020年の統計では0才〜14才までの幼年人口が 3,010,351人（男性 1,446,549人女性 1,563,802人）と少なく5歳区切りの人口を見ても他の年代と比べても大きく差があり、将来的な労働人口の減少が予想されます。政府の想定では2025年には65歳以上の人口が20％、2040年には30％を超える見込みになっており出生数の改善と同時に労働人口の確保という問題があります。

この労働人口の現象に対して台湾では人口政策白皮書の第2章「高齢化社会への対策」と第3章「移民対策」内で労働人口の確保についての対策を記しています。
以下に人口政策白皮書第2章と第3章から労働人口に関係がある項目のみ抜粋し記載します。
（※人口政策白皮書は2008年に台湾政府により作られた人口政策の方針をまとめた資料で、毎年内容が見直され更新されております。本記事では2013年に更新された内容を参照しています。）