
大型AIデータセンターを設置する企業
Google、Microsoft、AWS、Metaの4大クラウドサービスプロバイダーは、台湾に大型AIデータセンターを設置することを発表しました。データセンターの設置場所ですが、Microsoft、AWS、Metaは桃園市のA-Top新嶺雲端數據園區(A-TOP Digital and Industrial Park)を選ぶのではと言われています。
より高速かつ遅延の無いサービス提供のほか、海外のデータセンターを経由する必要が無くなるため、台湾国内に機密データなどを留めておけるようになります。台湾に設置予定のデータセンターは、アジア太平洋地域のサービスをサポートし、国際クラウドネットワークにおける台湾の地位を高めることになります。

Googleは3か所にデータセンター設置
Googleは、最も早く台湾にデータセンターを設立した企業です。2013年に設立した台湾彰化県のデータセンターは、今では、アジア太平洋地区で最大規模のデータセンターとなりました。
アジア太平洋地区と台湾のユーザーをサポートし、世界各地にあるGoogleのデータセンターと相互バックアップしています。

2019年、Googleは台湾に2か所目のデータセンターを建設することを明らかにしています。場所については、台南科技工業園區(Tainan Technology Industrial Park)を選んだのではと言われており、260億台湾ドルを投資する予定ですが、現時点で工事は始まっていません。
2020年には、3か所目のデータセンターを建設するため、Googleは200億ドルを費やして、雲林科技工業區(Yunlin Technology Industrial Park)の6万坪の土地を購入しています。
台湾にデータセンターがあることと、アジア太平洋地区の中心という立地の良さを考慮し、Googleは台湾に繋がる国際海底ケーブル4本にも投資しています。さらに、データセンターの運営をサポートするため、永鑫能源(太陽光発電事業を主とする企業)に投資し、1GWのグリーンエネルギーの供給を確保しています。
マイクロソフト台湾最大の投資計画
マイクロソフトは2024年11月、Microsoft 365データセンサーを台湾に設置することを発表しました。同データセンターは、マイクロソフトの66か所目のリージョンとなり、3~4つのデータセンターが設置され、相互バックアップや支援が実施されます。
台湾市場において、マイクロソフトが実施する最大の投資となり、設置場所はA-Top新嶺雲端數據園區(A-TOP Digital and Industrial Park)になるのではと噂されています。
設置されたMicrosoft 365データセンターは、Microsoft 365 Copilot、Team、SharePoint、OneDrive、Exchange Onlineなどのサービスを提供します。

マイクロソフト台湾ゼネラルマネージャーの卞志祥氏は、「マイクロソフトが発表したAI+Taiwan計画によって台湾への投資が増え、4年以内に4.8万の雇用を生み、その内1.6万はIT技術関連の仕事となるだろう。2025 年、Microsoft台湾の収益1ドルごとに、パートナー企業の収益は6.67ドル増加すると試算されているが、データセンターの設置により、2028年にはパートナー企業の収益は7.12ドルまで増えるだろう」と話します。
台湾にリージョンを初設置AWS
世界シェア第1位のアマゾンクラウド企業AWSは2024年6月、台湾にAWSのリージョンを設置することを正式に発表しました。
3つのデータセンターから成り立ち、各センターは独立した電力供給システムを有し、互いにバックアップするというAWS最高レベルの安全な仕組みを採用します。
リージョンの設置により、十分なコンピューター能力を確保することで、AWSの完璧なサービスを地域に届けていきます。2025年初めに稼働予定の同リージョンは、今後15年間で台湾に数十億ドルの投資をもたらすものでもあります。

AWSは2022年、台北にローカルゾーンセンターを設置しています。データセンターについては、A-Top新嶺雲端數據園區(A-TOP Digital and Industrial Park)に設置するとみられています。
AWSは世界33の主要エリアにリージョンを有し、過去に数多くの台湾企業が使っていた東京リージョンを含め、現在では、台湾とマレーシア、メキシコ、ニュージーランド、サウジアラビア、タイなどにもリージョンがあります。
METAはA-Topを選ぶと推測される
Metaに関しては、今のところ、データセンターに関する発表はありません。ですが、桃園のA-Top新嶺雲端數據園區(A-TOP Digital and Industrial Park)を選ぶのではとの憶測が広まっています。
桃園市のA-Topが選ばれる理由
Microsoft、AWS、Metaの3社は、A-Top新嶺雲端數據園區(A-TOP Digital and Industrial Park)を選ぶだろうと考えられています。A-Topは、AAM睿亞投資集團(AAM Group)が200億台湾ドル以上を投資して開発したエリアで、面積は約7ヘクタールあり、8kw/rack以上の電力供給が可能、ラック数は1万2千以上となり、台湾で唯一、巨大データセンターの設置という国際企業の需要を満たす場所です。
国際データセンター業者、シンガポール最大の多国籍企業吉寶集團(Keppel)、アメリカの大規模データセンターサプライヤーなどとの交渉がすでに始まり、2030年までの総投資額は500億台湾ドルに達すると予想されています。
引用元:https://www.bnext.com.tw/article/82590/cloud-infrastructure-datacenter-taiwan-google-aws-microsoft-meta