前書き
フードデリバリー市場は拡大し続け、過去2年間のコロナの影響がさらに市場の発展を加速させている。この流れを受けて「クラウドキッチン」が誕生した。
2021年5月、台湾国内の新型コロナウイルス(COVID-19、通称「武漢肺炎」)は爆増、イートイン禁止の状況下において、飲食業を直撃した。
クラウドキッチン3 SQUAREも台湾のコロナ状況の緊迫により6月中旬にオンライン化、今年もっとも話題となったベンチャーだ。
「レストランを経営、生き残り、さらに繁栄させることは、非常に難しいことです。」2021 Meet Taipei Startup Forumで、3 SQUAREの創業者兼CEOの周禎洋は近年のフードデリバリーのトレンドやクラウドキッチンのようなベンチャーについて見解を述べた。
フードデリバリーの成長率は50倍! 話題のクラウドキッチン、最短3週間でオープン可能
周禎洋氏は、過去10年間の飲食業界のトレンドを振り返り、世界のフードデリバリー市場の成長率は50倍達しており、コロナの影響により、過去2年間では飲食のイートインが85%と大幅に減少していると指摘。また、飲食事業1年目の失敗率も60%から75%に上昇傾向にある。
台湾市場に目を向けてみると、2020年のフードデリバリー市場は前年と比較すると5倍に成長し、市場規模で言うと330億台湾ドルにも及ぶ。他のアジア諸国と比較しても、台湾市場の1日のフードデリバリー注文量は60万件を超える。周禎洋氏は、中国やベトナムなど比較的大きな国よりは低いが、マレーシアやシンガポールよりは高いと指摘しており、台湾のフードデリバリー市場の可能性が期待できると見ている。
フードデリバリー市場の発展は、デリバリーやテイクアウトに特化した「クラウドキッチン」が飲食業界で話題となっている。
従来の飲食店開業において、初期投資が300万台湾ドル以上かかるのに比べ、クラウドキッチンでは80万台湾ドル以下ですむ。「従来の飲食業者は開店まで約3〜6ヶ月かかるところ、クラウドキッチンでは3〜4週間でオープンできる」また、従来の飲食業の損益分岐点に達するまでに約18〜30ヶ月かかるのに対し、クラウドキッチンは8ヶ月以内に成し遂げられると周禎洋氏は説明する。
「全体的に見て、クラウドキッチンのリスクは少ないんだよ」と続けた。
国際市場を視野に入れ、3年後にはアジア2カ国にフラッグシップを
このような飲食業のトレンドを見て、honestbeeのグループ運営長兼アジア副責任者、さらにFoodpandaの台湾CEOを務める周禎洋氏が、今年、「フードコート」と「クラウドキッチン」を結合した3 SQUAREを立ち上げた。
飲食ブランドに4〜8坪のスペースをクラウドキッチンとして提供し、Uber EatsやFoodpandaと連携、さらにイートインスペースを設け、物理的な飲食市場へも参入した。
「3 SQUAREの意味は、1日3食という意味。皆さんに3食しっかり食べてもらい、そのうちのいくつかに私たちも関わっていきたい」と語った。6月に開幕した初めてのフードコートには、20を超える飲食ブランドを集め、そこにはミシュラン1つ星レストラングループMUME GROUP傘下のブランドや30年以上の歴史を持つ鹽酥雞の師園なども含まれています。
未来の展望について、周禎洋氏は、世界市場への発展を目指しており、今年台湾市場からスタートした後、2年以内にアジア太平洋地域で1カ国、3年以内に2カ国へと事業を拡大、189ブランドを目標としている。また、世界市場のエッセンスをもとに、台湾の飲食ブランドの海外進出も支援したいと考えている。