データから見る台湾各業種平均賃金と男女差について【2020年版】

前書き

台湾行政院(内閣)性別平等処は2021年1月5日、男女格差に関する2021年版報告書を公表しました。国連開発計画(UNDP)が発表するジェンダー不平等指数(GII)に基づいて算出した結果、2019年の台湾のジェンダー格差は世界で6番目に小さく、前年より3つ順位を上げアジアでは1位だった。台湾は国連に加盟していないため、UNDPが発表するランキングには含まれていませんが、GIIは男女間の格差を示す5つの指標で算出しGIIの算出公式に台湾のデータを当てはめたところ、UNDPの報告書で6位だったノルウェーと同じ値という結果になりました。
今回ではそんな男女差が少ないと言われる台湾の給与面での男女の差を調べて見ました

この文章の要点

・賃金の格差が大きいのは医療及び医療関係の業種(医者と看護師の給与格差があるため)
教育業では女性の方の賃金が男性より高い
・ホワイトカラーの職場では男女の賃金差がほとんどない

第二次・第三次産業の男女賃金の金額差

男女賃金差台湾
台湾平均総支給額推移

台湾平均賃金推移

台湾の賃金はこの10年間増加を続けております。特に現在の蔡英文政権(2016年〜現在)になってから賃金の上昇率が大きくなっています。これは蔡英文政権の公約の1つで「在任中に最低賃金の月3万元の実現」という項目があり2016年の就任から合計で5回の最低賃金の引き上げが行われ、月給ベースの最低賃金は就任時の16年から約4,000元上がったことになります。

※総支給額は手取り基本給与以外にも保険類、ボーナス、残業代などが含まれます
※本データには政府関係者・公務員は含まれていません

台湾各業種の男女賃金差

男女賃金差台湾
2020年台湾各業種の総支給額

台湾はアジア圏では最も男女差が少ない国と言われておりますが、全く男女差がないというわけではありません。
肉体労働など体力面で性別差が出る鉱業、採石業、製造業、建設業、運輸業では男性の賃金が高くなる傾向があり、出版業や映像・通信業(特にテレビ業界)や芸術産業(特に伝統工芸業)などの未だ古い習慣が残っている業界でも男性の賃金が高くなっております。
また最も男女差が大きいの医療及び医療関係は医者(西洋医学、伝統医学双方)は男性の比率が大きく2020年で女医の数は20%止まりとなっております。医療関係では医者の賃金が最も高く(経営者は除く)この医者の男女比が賃金差に影響を与えています。
同じような理由で科学技術業でも男性エンジニア(コーダー等)の比率が高く男女の賃金格差の原因となっております。

台湾が男女差が少ないと言われる原因として、ホワイトカラーと言われるオフィスワークをする業種での男女差が少ないという点が挙げられます。
水道業・ライフライン業、不動産業、金融・保険業では男女の差がほとんどなく、教育業に関しては女性の賃金が高くなっています。(金融・保険業の手取り額は男女差がほとんどありません。元データ参照)

データソース及び参考資料

・行政院主計總處:https://www.dgbas.gov.tw

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