Gogoroは3年をかけて電子プラットフォームを開発し、より高度なコンピューティング技術とネットワーク機能を実現するとともに、TCS(トラクションコントロールシステム)、クルーズコントロール、LTE接続などの新機能を搭載した。
ネットワーク技術の進化に伴う新しい移動手段へのニーズに対応するため、Gogoroは本日(16日)、最新電子プラットフォーム「SSmartcore」を発表した。車両の演算能力、ネットワーク機能の向上に加え、TCS、クルーズコントロール、LTE通信でのリモート接続機能などを搭載している。
3年かけて開発した新電子プラットフォームにより、車両のネットワークやスケーラビリティを強化
Gogoroのモデルは初代からGogoro2、3、vivaへと進化してきたが、車体のアクセサリーや外観デザインを重視し、車輌内部のハードウェア、特にECU(電子制御ユニット)、MCU(モーター制御ユニット)、モーターの3つには大きな変更を加えることはほぼなかった。
Gogoroは、車両のネットワーク機能を高めるため、独自に「SSmartcore」を2〜3年をかけ開発し、ECUやMCUの演算能力とメモリ容量を強化した。
ECUはバイクの脳、中枢神経であり、使用者による操作やGogoroアプリとの接続、車載センサーからの信号の読み取りを担っている。処理速度の向上とメモリ容量の倍増に加え、Bluetoothのバージョンも5.0にアップグレードされ、より高速で安定したスマートフォンとの接続や、MP3同等の高音質でデジタルオーディオ再生が可能になった。
MCUはドライブトレイン制御の枢要部であり、モーターの動きを指示する役割を担っている。 前進アクセル、バックアクセル、ブレーキは直接MCUに接続され、よりダイレクトな信号伝達が可能になった。
GogoroのCPO(Chief Product Officer)彭明義氏は「SSmartcoreにより、システムはより高速で安定し、より優れた車載ネットワークの性能と周辺機器の拡張性を提供できる」と述べた。
4Gネットワークにより車両の遠隔監視や操作が可能に
Gogoroは、強力なコンピューティング、ネットワーク機能に加え、TCS、クルーズコントロール、LTE接続の3つの新機能を導入し、ユーザー体験を向上させた。
Gogoroが発表したTCSは、世界初「普通重型電動機車(一般大型電気二輪車)」の為の駆動輪空転防止装置だ。加速時の過剰な出力や、グリップの低下により駆動輪がスリップするのを防ぐことが主な機能である。また、Gogoroは「購入後にオプションを選ぶ」、さらにはオンラインショップを通して顧客が「自分で購入しアップグレードする」という新しい購入形態を導入し、二輪車業界に先鞭をつけた。
もう一つの見どころはLTEリモート接続サービスである。 GTU(Gogoro Telematics Unit)4G/LTE通信モジュールを装着すると、4G回線で車両と直接接続できるようになり、これまでのBluetooth接続における通信距離の問題が解決された。
車両に4G回線を搭載した場合、スマートフォンと車両の接続が維持され、車両の遠隔監視や操作が可能となる。車両の傾倒や施錠後の移動を検知すると、スマホでプッシュ通知を受け取ることができる。 さらには、遠隔操作で車の施錠を解除し知人に貸し出すこともでき、「リモート操作で車を受け取る」という機能が実現した。
こちらの新機能は2021年4月以降に製造された車輌に適用され、さらなる新機能が検討されており、サービス開始後2年間は無償で提供されると彭明義氏は述べている。 しかし、車両の接続や位置情報は、天候、地形、障害物、基地局の電波などの外的要因に影響されることがある。
Gogoroは進化した「SSmartcore」を消費者に体感していただくため、2022年新型モデル「Gogoro Super Sport」を同時発表した。同モデルは3仕様あり、最上位モデル「Gogoro Super Sport ACE 」はABS、TCS Pro、LTEを搭載し、115,980元で発売される。Gogoroと台湾のブロックチェーンサービス「Blocto」が提携して発行する「Gogoro SuperSport 」限定品NFTが先着50名にプレゼントされる。 また、インターネット機能のないタイプや、SBS(Synchronized Braking System)のみを標準搭載したタイプも選択可能だ。
今後、Gogoroの新モデルには全て「SSmartcore」が導入され、また2~3四半期以内にすべてのPBGN(Powered by Gogoro Network)パートナーへの提供を開始し、すべての電動バイクをより新しくスマートにする、とGogoroは表明した。