
2025年台湾でSAFの供給が始まる
中華民國交通部は、台湾2大石油サプライヤーのCPC(台湾中油)とFPCC(台塑石化)が、高雄、松山、桃園の3空港でChina Airlines(中華航空)、EVA Air(長榮航空)、そしてSTARLUX Airlines(星宇航空)に持続可能な航空燃料(SAF)の供給を開始すると発表しました。
これにより、今年の航空業界の二酸化炭素は約1.5万トン削減されると推定されており、台湾の航空業界はネットゼロへの新たな1歩を踏み出したことになります。
2030年までに航空燃料の5%をSAFに
2025年4月23日、高雄空港でSAF燃料の供給を開始する式典が行われました。
中華民國交通部民用航空局は今年、CPC(台湾中油)が400トンの持続可能な航空燃料(SAF)を輸入し、FPCC(台塑石化)が5,500トンの持続可能な航空燃料(SAF)を生産すると発表しています。
今回、China Airlines(中華航空)とSTARLUX Airlines(星宇航空)はCPCが輸入したSAFを使用し、EVA Air(長榮航空)はFPCCが生産したSAFを利用しました。デモ飛行を行う便と空港は、各航空会社が選定しています。
交通部民用航空局は、2030年までにフラッグキャリアの航空燃料の5%をSAFにする目標を掲げています。

交通部部長の陳世凱氏は、行政院が「持続可能な航空燃料」を炭素削減計画の1つに挙げていることを強調しました。
交通部は、経済部と部門を超えて協力するためのプラットフォームを設立し、航空局と能源署(エネルギー庁)は、原料、生産、供給などのニーズを調整するSAFサプライチェーンを構築するため、SAF使用側と供給側が参加するワーキンググループを結成しています。
台湾の課題はSAFの原料の不足
台湾の課題は、SAFの主原料が廃食油に依存しており、廃食油の量が台湾の航空産業の需要を満たすには足りないことです。
CPCは、中華民国環境部と廃食油の輸入の解禁について協議しており、早ければ来年第3四半期に台湾国内でSAFの生産を開始します。FPCCは、将来的に廃食油の供給源を増やしていく予定です。

従来の燃料より価格が高いSAFを使うことによって、航空券の価格が上昇するのではないかという疑問について、China Airlinesの高星潢会長は、「SAF燃料に関する規制があるのは欧州のみであり、まずはヨーロッパ行きの国際線に導入される予定だ。初期コストは高いものの、供給が増えるにつれてコストは低下し、航空券への影響は限定的になるだろう」と話しました。
民用航空局の何淑萍局長は、「まずは、SAFの使用を推進し、国際線から始めて徐々に増やしていき、供給市場や原材料の調達状況を確認しつつ、さらなる介入が必要かどうかを考えていく」と述べています。
引用元:https://www.bnext.com.tw/article/83080/2025-airplane-saf-china-airlines-eva-airways-corp