2月売上高209%増!擷發科技(Microip)が発表したAIソリューション

擷發科技(Microip)が展示会に参加

2025年3月11日から13日まで、ドイツのニュルンベルクでエンベデッド・ワールド(Embedded World)が開催されました。世界最大の産業コンピュータ展として知られ、影響力の大きい技術展示会のひとつです。今年で23回目を迎え、AI、モノのインターネット(IoT)、産業用コンピュータ、カーエレクトロニクスなどの業者と専門家が参加しました。

擷發科技(Microip)がEmbedded Worldに参加するのは2回目となり、今年は「クロスプラットフォームAIソリューション(Cross-platform AI Powered Solutions)」と「カスタマイズASIC設計ソリューション(custom ASIC services)」を提供しました。同社は2024年末、新興市場に上場したIC設計サービス会社です。

今年のEmbedded Worldでは、どこのメーカーも「ソフトウェアを使用してハードウェアのパフォーマンスを最大化する方法」について議論していたと擷發科技(Microip)会長の楊健盟氏は指摘します。

今まではデバイス側でAI演算を処理していたため、計算能力を増やすにはCPUを追加する必要がありました。ですが、この方法ではハードウェアのコストと消費する電力が大きくなり、業者側の負担が増します。

ソフトウェアによって、最小限のハードウェア資源から最大限のパフォーマンスを引き出すことは、全メーカーが取り組んでいることであり、IC 設計サービスという中核事業を持つ擷發科技が、AI ソフトウェアプラットフォームの開発を手がけた理由でもあります。

AIソフトウェアプラットフォーム

楊健盟氏は、同社のAIソフトウェアプラットフォームの特徴として、様々な業者のAI演算のためのハードウェアをサポートできることを挙げました。ソフトウェアとハードウェアの繋がりを強化し、より優れたパフォーマンスと電力効率を実現できるようになります。今回ブースで実演された画像認識は、AIチップのスタートアップKneron、Rockchip、Xilinxなどのハードウェアをサポートしています。

擷發科技のAIソフトウェアプラットフォームの利点は、ハードウェアごとに変更する必要がなく、AIモデルをスムーズに実行できることです。特定のハードウェアの在庫が無い場合でも、他のハードウェアを利用できます。

今年1月、アメリカで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショーでは、MediaTekのGenio 700チップをベースにしたAI画像認識の展示を行い、1つのハードウェアで10個のAI画像認識モデルを同時に実行できることを証明しました。

「今までは、同じハードウェアを3~5個用意しなければ、これほど多くのモデルを実行できなかった」と楊健盟氏は話します。

現在、擷發科技のAIプラットフォームの主用途は画像認識です。半導体のパッケージングおよびテスト工場で使用される「ウエハ検査アプリケーション」もそのひとつで、検査員が真空ロッドでウエハを正しく配置しているかをAIで識別することで、人為的ミスによるウエハの損傷を防ぎます。

今回の展示会で、来場者の8割以上がクロスプラットフォームAIソリューションについて尋ねてきましたが、収益化するには、まだ時間がかかるだろうと楊健盟氏は語っています。

ライセンス収入の増加が予想される

最先端の技術に重点を置く、IC設計サービス大手メーカーのAlchipやGUCとは異なり、後から市場に参入した小規模な擷發科技は22-55nmという成熟した分野のIC設計サービスを重視しています。同社は、EDAツールiProfilerを使用してパフォーマンス分析を実行し、パフォーマンスに影響を与える原因を特定するとともに、設計の初期段階で消費電力を予測して、顧客のコスト削減に繋げています。

「現在、擷發科技のIC設計サービスは主に家電製品向けであり、売上比率は欧米市場で約60%、アジアと国内で約40%である。エンベデッド・ワールドに参加することで、同社の成長の新しい動力源であるAIプラットフォームソリューションを広める絶好の機会としたい」と楊健盟氏は話します。

擷發科技の2025年2月の売上高は1,360万台湾ドルで、前年比209%増でした。これは主に、進行中の設計プロジェクトとNRE売上額の認識によるものです。製品が試作・量産段階に入ってくると、ライセンス収入が増加すると予想されています。

引用元:https://www.bnext.com.tw/article/82613/embedded-world-2025-microip

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