任天堂が台湾に子会社を設立!これまでの歩みを振返る

台湾に任天堂の子会社が誕生

2月18日、任天堂は台湾に任天堂株式会社の子会社となる「台灣任天堂股份有限公司」を設立することを正式に発表しました。

台湾任天堂会長の松本浩之氏は、「4月1日に香港から台湾へと事業が正式に移管される予定である。任天堂グループの経営理念を守り、引き続き事業を発展させていく」と述べました。

過去数年間、台湾における任天堂の公式な活動やサービスは「香港商任天堂香港有限公司台灣分公司」によって行われ、事実上は香港任天堂の管轄下です。

ニンテンドーeショップでは、各製品の価格が香港ドルで表示され、台湾版はありませんでした。

台湾任天堂の設立によって、台湾の顧客は台湾向けに考案されたサービスを享受できるようになります。

任天堂が台湾に子会社を設立するのは、今回が初めてではありません。日本の任天堂は電子ゲーム産業のリーダー的な存在として、台湾市場で幾度も事業を展開しています。台湾における任天堂の歴史は、3つの時期に分けられますので、それぞれ振り返ってみましょう。

溥天股份有限公司時代(1991~2014)

任天堂が初めて台湾へ進出したのは1991年1月14日です。台湾に設立された溥天股份有限公司(Nintendo Phuten)は、任天堂にとって東アジアにおける重要な戦略のひとつでした。

溥天股份有限公司の主な役割は、台湾での任天堂ゲーム機とソフトウェアの販売です。1991年から2014年までの23年間、任天堂は代理店制度を採用し、「任天堂の曾おばあちゃん」と呼ばれた曾愛玉氏が設立した「博優公司」を主要代理店としていました。「博優公司」は実店舗での流通とアフターサービスを任され、溥天股份有限公司は輸入申告とブランドの維持管理に注力していました。

2001年以降、溥天股份有限公司は碁國際股份有限公司(Weblink International Inc.)を第二の代理店とし、2つの代理店を競争させるモデルを構築しようとしましたが、「博優公司」の強い反発を招きます。

当初、「博優公司」は任天堂の並行輸入品を取り扱い、任天堂携帯型液晶ゲーム機「GAME & WATCH」の販売で発展しました。創立者の曾愛玉氏は、22歳の時に結婚して日本に移住し、結婚後はAppleコンピュータのIC部品を売買する事業に携わり、日本の任天堂とビジネス上の繋がりを持つようになります。

1980年に「GAME & WATCH」が大ヒットした後、輸入ルートを持たない台湾のビジネスマンが曾愛玉氏に輸入の協力を求めます。これを機に、任天堂との協力関係が始まり、ファミコン時代の台湾の総代理店として「博優公司」が選ばれました。

任天堂は、2008年からWiiゲーム機の代理権を碁國際股份有限公司に渡し、「博優公司」に卸す量を減らしてきました。2011年3月、任天堂は「博優公司」に対し、20年の独占代理関係を終了することを通知し、法廷闘争に発展します。

「博優公司」は2011年7月に正式に提訴し、溥天股份有限公司に対して独占代理権の回復、並びに代理権の終了によって発生した損失と在庫の買戻し費用などを含めた7億台湾ドルの賠償を求めました。

曾愛玉氏は当時、「私は、溥天股份有限公司の設立時に資金援助し、同社の総経理を担当したこともある。私と溥天股份有限公司には深い繋がりがあるはずだ」と話しています。

2012年12月、台北地方裁判所は第一審で「博優公司」に敗訴を言い渡します。裁判所は、総代理店に関する明確な法的概念はなく、「博優公司」は任天堂または溥天股份有限公司との間に独占販売契約が存在することを証明する十分な証拠を提示できなかったと判断しました。さらに、「博優公司」が求める損害賠償金額についても十分な証拠が無いとしています。

香港任天堂の管轄下時代(2014~2025)

2014年4月7日、任天堂はアジア太平洋事業の再編計画を発表しました。台湾の溥天股份有限公司は2014年5月31年に事業を停止し、台湾市場は任天堂香港有限公司台灣分公司が引き継ぎます。

任天堂の香港支店が台湾と香港、マカオの3地域の業務を請け負い、実店舗は碁國際股份有限公司と傑仕登(JUSTDAN)への委託を継続する流れです。

これにより、以下の3つの変化が起きました。

  1. 製品の価格戦略が香港市場のトレンドと一致し、台湾での小売価格が日本よりも15~20%高くなる
  2. Nintendo eShopの設定に台湾地区が無くなり、顧客は台湾以外のアカウントを利用する必要が出る
  3. マーケティング活動の決定権が香港に移り、台湾地区に対するマーケティング活動が脆弱になる

この流れは、2021年4月7日に任天堂香港有限公司が資本金500万台湾ドル、登録住所を台北市信義區に置いて台湾支社の事業登録を完了するまで続きました。同台湾支社は法的には支店組織になりますが、台湾における任天堂の経営力を強化したいという任天堂の意向が現れた動きでした。

台湾任天堂の管轄下時代(2025~)

任天堂は、2025年2月10日に正式に登記し、台湾任天堂株式会社を設立しました。同法人は完全子会社としての地位を持ち、同年4月1日の事業年度より台湾事業を全面的に引き継ぎ、既存の香港支店の機能に取って代わります。

大きな変更点は以下の4つです。

  1. 台湾市場に対する経営の意思決定を日本の本社と直接行う
  2. 繁体字のローカライズ製品チームを設置する
  3. Nintendo eShopで台湾エリアを計画・設置する
  4. 台湾にカスタマーサービスセンターと修理拠点を置く

子会社設立はSwitch 2の販売戦略

文化內容策進院(TAICCA)の調査によると、2023年時点で台湾のゲーマーの間で最も人気のあるゲーム機は依然として任天堂(Switch、Wii、3DSを含む)であり、所有率は69%、プレイ率は77%です。プレイヤーの多さは、任天堂が台湾に子会社を設立することを決めた理由の1つです。

また、2025年7月に台湾で初のSwitch 2体験会を開催する予定のため、台湾でのマーケティングを強化する必要があります。Threadsユーザーの「督阿賀的任粉」は、財団法人台北市会展産業発展基金会のウェブサイトで、7月2日から7日までの間、任天堂が正式に台北花博公園展示ホールを借りることを見つけました。
イベントの内容については「主催者側の意向で、プロモーション期間までイベント名は秘密にする必要がある」と明記されていますが、ユーザーはSwitch 2の台湾体験会である可能性が高いと考えています。

最後に、2025年1月、日本本社はNintendo eShopでの海外クレジットカードのサポートを終了すると発表したため、台湾市場も独自の決済システムを導入せざるを得なくなると予想されます。

引用元:https://www.bnext.com.tw/article/82340/nintendo-taiwan-2025?sn_f=1&sn_u=3085810f657d776c3d68f8039fa22d76

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