
駐車場シェアUSPACEの始まり
駐車場シェアリングアプリのUSPACEは、140万人以上の会員を擁する多国籍企業に成長しました。USPACEの始まりから日本第3位の「軒先」パーキングを買収するまでの流れをご紹介します。
USPACEの創設者兼CEOの宋捷仁氏は、かつて製薬会社や広告代理店で働いていました。同氏は、組織で働くということは、時間を給与に交換することであり、給与に上限があると気づきます。
この気づきが起業に繋がり、ベンチャービジネスを開始します。ドライフルーツのオンライン販売、先物取引プログラムの開発と続き、USPACEは3番目のビジネスです。
同氏は、ある時、商談のために駐車する必要がありましたが、駐車場が見つからず、ビルの警備員に「空いているスペースに駐めさせて欲しい」と頼んだそうです。支払うお金が駐車違反の罰金より少なければ、駐めさせてもらう価値があると考えました。
結論、空いてるスペースに駐車させもらうことは出来ず、商談を終えて戻った時には、車はレッカー移動されてしまいましたが、これがシェアパーキングビジネスの発想に繋がります。
ビジネスチャンスを感じた瞬間
宋捷仁氏は「USPACEの初回収入は僅か8台湾ドル、2回目は34台湾ドルでした」と話します。
当初、USPACEは6,000台湾ドルを支払って台北市内の駐車スペースを2か所借ります。駐車スペースに訪れた人は現金での支払いを希望しましたが、駐車前にインターネット上でログインして支払う必要があると話すと去っていきました。
最終的に、ある人が駐車スペースを試しましたが、得た収入はスターバックスのコーヒー1杯分にも満たなかったそうです。ですが、同氏はビジネスチャンスを感じます。
「駐車場が1ヶ月でいくら稼げるかは実際に計算できる。例えば、ラッシュアワーの夕方5時から9時までは1時間あたり60台湾ドルだとすると、4時間で240台湾ドルになるだろう。USPACEの初回利用者が現れたということは、このサービスにお金を払ってもいいと感じる人がいるということなので、成功すると感じた」と宋捷仁氏は話します。
軒先パーキングの買収を始める
USPACEは台湾の路上駐車スペースから始まり、ホテル、商業オフィス、百貨店などを保有する建設業者や土地所有者と提携して事業を拡大してきました。2024年7月には、日本第3位のパーキングブランド軒先(Nokisak)を買収し、多国籍企業になります。
「日本では駐車料金が高く、デジタル化もそれほど進んでいない。これらの問題をスマートパーキングアプリで解決できる」と宋捷仁は述べます。
買収前、宋捷仁氏はUSPACEのブランドのまま日本に進出することも検討していました。しかし、当時はUberが中国ではDidiと、東南アジアではGrabと争い、結局、補助金戦争で負け、株式交換で解決して市場から撤退した頃でした。そこで、同氏は広告費や補助金の予算を節約し、既存の会社を買う方向に切り替えます。
軒先(Nokisak)との交渉が成功した理由は、日本が台湾に対して友好的なこと、交渉の過程で相手の考えを理解できたことだと話します。
軒先(Nokisak)は現在、日本で3番目に大きなスマートパーキングブランドですが、2位になるのは容易ではありません。
「規模を拡大したい場合、当社のロック技術のような技術開発に多額の資金を費やす必要があるだろう。だが、技術開発に費やせる資金は限られている可能性があり、USPACEと一緒に上場したほうが効率が良い」と話し、現在抱える問題の解決策とUSPACEと協力すれば市場シェア1位と2位に勝てることを相手に訴えかけたそうです。
最後は、相手方を台湾に招待し、5つ星ホテルや商業オフィスビルに掲げられたUSPACEの看板を見てもらいました。USPACEには充電ステーション、レンタカーサービス、テスラが並んでいるのが目に入ったと思います。台湾におけるUSPACEの規模を知ってもらい、アジア最大になるという私たちのビジョンを印象づけました。
重要なのは限界を決めないこと
シェアパーキングの取り組みを始めた当初、周囲では様々なことを心配する声が大きくありましたが、宋捷仁氏は逆に全てが上手くいったらどうなるだろうかと考えていたそうです。
設立当初、7~8人のチームで活動していましたが、全員営業でコードの書き方を知る人はいませんでした。そこで、コードの書き方を教えてくれる人をオンラインで探し、最終的に親切なエンジニアがアプリを開発できる同僚を紹介してくれました。
「最初にイメージを持ち、それから実現のため模索することは、全力を出さなければいけない状態に追い込まれるので、非常に良いプロセスだと思う」
2024年、USPACEは、シリーズBラウンドで1400万米ドルの資金調達に成功したと発表しました。由數字科技を筆頭に、台灣大哥大、國發基金など既存の投資家が資金を追加し、峻盛資本、海悅國際、桓邦建設、合眾建經なども本ラウンドに新たに投資しました。USPACE は現在、シェア駐車サービスだけにとどまらず、自動車エコシステムを中心に数多くのビジネスを展開しています。
「コンビニならセブンイレブン、検索はグーグルと言うように、USPACEが代名詞になる未来を目指している」
引用元:https://www.bnext.com.tw/article/82346/uspace-interview