台湾全土の不動産がジリジリと膨れ上がっている。
世界最大大手事業用不動産サービス会社CBREが12月23日に発表した情報によれば、12月21日までの最新統計で、2021年の台湾の大型不動産の取引額は4256億元に昇った。そのうち商用取引は1338億元、土地の取引は2918億元で、CBREが2003年以来記録している中で最も高く、2年連続で4000億元の大台を超えた。
台湾全体の不動産市場の評価として、CBREは、台湾は金利水準が非常に低く、さらに製造業もニーズが高いため、自家用購入者として土地を買い求める人が年間で25%増え、取引額は1120億元となったとしている。
中央銀行は2020年12月より土地購入におけるローンに制限を設けたが、住宅市場が過熱し続ける中で地元の建設業者はそれでも土地を探す努力を続けており、2021年には建設用の土地を購入するために2,215億台湾ドルを費やしており、前年比で21%増加している。
特に台中、桃園、新北市は建設業者から最も好まれている。これら3つの地域への推定投資額は1,436億元を超えており、建設業者は地元の市場見通しについて非常に手応えを感じているという。
現在の不動産市場全体の状況に関して、CBRE台湾リサーチディレクターの李嘉玄氏は、世界経済成長への懸念が高まる中で、台湾の不動産は資金を確保するための安全な避難所になっていると述べた。
中央銀行は4度目の調整を行い、住宅ローン審査の選別や、不動産業務への対応強化を金融機関に促した。
また内務省では今後、販売前の住宅の転売を制限するための法律を制定すると発表しており、急激な不動産価格の上昇を抑えるため政府の積極的な姿勢が見られる。
商業用不動産市場への影響が少ないことを考えると、今後数四半期は取引の勢いは安定すると予想される。
内務省による法律改正が発表される前に、一部の中小規模の建設業者は土地購入へより保守的になるとみられており、今後数ヶ月は土地の取引市場は落ち着いてくるだろう。
2021年の不動産投資市場では、地元の保険会社も参入しており、総投資額は391億元で、そのうち96億5000万元が土地や表面的な権利の訴訟に使われている。主に雙北(台北、新北を総括して呼ぶ)新竹、台中などに多く見られる。
CBREは、工業地域、工場、工場事務所、倉庫・物流など工業用不動産の2021年総取引額は1,490億元と高く、年間成長率は25%であると指摘した。 CBREの台湾資本市場部門の責任者である林敬氏は、継続的な輸出額増加の恩恵を受けて、工場の拡張及び生産の増加のために土地を購入する需要が高まっていることが工業用不動産価格の上昇につながっていると指摘した。
2021年も工業不動産の首位は桃園などの北部に集中したが、注目すべきは半導体産業に牽引された周辺工場の拡大の影響で、台南が工業用地の3番目に大きな貿易市場として名を挙げたことだ。
土地の価格が低いことも好転し、今度1年で南部地域が工業用不動産とし活躍する機会があると予想されている。